さいたま国際芸術祭「市民参加型に」 ディレクター2氏が意気込み
日常生活の中で芸術に親しむ環境をつくる事業「さいたまアーツセンタープロジェクト(SACP)」が22年12月、「金曜日の芸術学校」として開催。目[mé]は、荒神明香さん、南川憲ニさん、増井宏文さんを中心に13年から活動する。宇都宮市に実在する男性の顔のバルーンを同市の上空に浮かべた「おじさんの顔が空に浮かぶ日」(14年)など数々の奇想天外な作品で知られる。
南川さんは、目[mé]の前身「Wahdocument(ワウドキュメント)」の活動を回顧。通行人から聞いたアイデアを形にする活動を6年間続けるなど、市民参加なしに成り立たない表現に取り組んだ。公園の砂場を石庭にしたり賃貸住宅を200人掛かりで持ち上げたりと「誰かがやったことも見たこともないものに挑戦する」ことを重視したアートを追求したという。
芸術祭について、荒神さんは「世の中に既にあるものを作ったり、これはいけるという確信があることをするのはつまらないと感じる。常に挑戦したい。『観客とアーティスト』という垣根を超えて、新しい市民参加の形を提案したい」と意気込んだ。
芸術祭実行委の市民プロジェクト・キュレーターの浅見俊哉さんは「芸術祭の時だけではなく普段から現代アーティストの生の声を聞く機会を設け、美術をもっと身近に感じたり、日常生活の中で一緒に芸術のエネルギーを感じたりしたい」と話した。【山崎恵利花】