東大教授が「歴史はダサい」の常識を打ち破る!
『歴史学者という病』――そんな題名だけ聞くと、さぞかし怖い本のように思うかもしれない。しかし、実際に読んでもらえればわかるが、この本は歴史学者・本郷和人の人生を本人が語りながら、生きていくことの辛さや不可解さ、そして、面白さや可能性などについても触れている。そこで特別企画として、この本にはあまり収録できなかった話を中心に「人生相談」風にまとめてみた。題して「人生の難問は歴史学者に聞け。本郷和人のルサンチマン人生相談」です!
第十二回は、「どうしたら歴史学がイケてる学問に返り咲ける?」です。
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最近は理系ばかりメディアに持ち上げられているように思います。ハッキリ言って、文系の旗色が悪いです。とりわけ「歴史はダサい」と言われているのが悲しいばかり。どうしたら歴史学がイケてる学問に返り咲けますか?
おっしゃる通り。
最近は特に歴史学に人気がない。
ダサい、と言ってしまっても間違いではない。
これはたんなるムードというわけでもなく、私流の言葉でいえば、政府から「あまり期待されない学問」と断定されてしまったようで、今日では研究予算も、ポストもどんどん削減されているので、負のスパイラルが起きているのが現実である。とほほ。
しかし!! !
私は歴史を愛し、歴史学に身を置く人間だ。
歴史学にはもっと頑張ってもらいたい。
皆様に愛してもらいたいと心から思っている。
それでは!
歴史学が「返り咲く」ためには、どうすればよいのか――。
これまでの研究や教授関係、執筆活動やメディアにおける立場などを思い返し、私にできるひとつの方法を考えだした。
歴史学の魅力をひろく分かりやすくお伝えする、「ヒストリカル・コミュニケーター」を目指して活動していこうと思ったのである。