仏様、あなたの手で「応急修理」 文化財保存体験、参加者募集 滋賀
修理するのは、同町敏満寺の光明寺に伝わる西国三十三所観音像(33体、高さ約35センチ)。江戸時代の作とみられ、手が取れたり、台座が崩れたりしているものも多い。大雪で傷んだ本堂の建て替えに伴い運び出したが、現状のままでは自立できず新本堂に置くことができないという。
そこで今回のイベントに合わせ、応急修理を手伝ってくれる人を募ることにした。楽浪文化財修理所(大津市)の技術者の指導のもと、ニカワを使って修理する。企画した文化遺産プランニング(同県守山市)の井上ひろ美代表は「応急とはいえ、今できる最善の修理。今後100年くらいはそのまま保存されることになるでしょう」と話す。合わせて台座裏の墨書の確認など簡単な調査も行う。
ワークショップは午前10時~11時半と、午後1時半~3時の2回。定員各17人(要予約)。修理の資金調達も兼ねており、参加費5000円。「それぞれの地域で大切にされてきた仏様を、今後どうやって守っていくか。今回の試みで、その道筋をつくれたら」と井上さんは意気込む。
イベントはほかに、室町時代の阿弥陀如来像を用いた「修理前調査体験」(無料)や、専門家がその場で簡単な調査やアドバイスをする「文化財お悩み相談会」(同)、「まちづくりと文化遺産」をテーマにしたトークセッション(同)、親子で楽しめるコーナーやマルシェなど。申し込み、問い合わせは多賀町立文化財センター(0749・48・0348)。【中本泰代】