YOSHIROTTENによる新アート・プロジェクトが始動。国立競技場駐車場にて展覧会も開催!
YOSHIROTTENが「SUN」の制作を始めたのは2020年初頭。日本で新型コロナウイルスが拡大し始めた頃だ。
「それまで長い時間をかけて準備していた企画やイベントがコロナ禍をきっかけに次々と中止になり、ショックが大きかったです。僕はずっと何かを作り続けることで周りの人々と繋がれたりコミュニケーションを持つことが出来ていたので、どんな状況でも“作り続けないといけない”という衝動に突き動かされたんです。
そこで始めたのが1日1枚の「SUN」を描くということでした。あの状況下で、1日1日の感覚を残していくことは、自分の中でも大きな意味を持っていたと思います」
機械による自動生成ではなく、デジタルツールを用いてすべて手作業で制作したという。そうして出来上がった「SUN」は鏡のような円が浮かび、その周りにある複数の色を写し込む。これはYOSHIROTTENがイマジネーションで生み出した“もう一つの太陽”だという。
「地球は地殻、マントル、外核、内核(コア)で構成されていて、内核は鉄を主成分とした固体の球体だと言われています。僕はその球体がもう一つの太陽だと想像して。内核を包むように外核があり、それは鉄の海のようだと言われています。そしてマントルは、かんらん岩でできていますが、高温・高圧の状態にあるため柔らかく変形しているそうです。
そうやって絶えず動くマントルや外核の色相が変わるとしたら、合金の塊である内核がその色を取り込み、変化するのではとストーリーを膨らませたんです」
光と色の存在によって生み出された「SUN」は1月1日から12月31日まで、すべて異なる印象を持つ365枚の作品群になった。
「2022年、野外フェスティバル『RAINBOW DISCO CLUB』が3年半ぶりに伊豆半島で開催されることになり、ここで作品の一部をインスタレーションとして披露しました。
その後、山梨・北杜のギャラリー〈GASBON METABOLISM〉で展示したり、現在は東京・渋谷〈MODI〉の大型ビジョンで深夜にゲリラ上映したり。だんだんと『SUN』をいろんな形で展開していくイメージを持つようになっていきました」