政治風刺漫画家・那須良輔の原画発見 連載の「空白」埋める70点
同館によると、那須良輔は33年に漫画家としてデビュー。従軍経験などを経て戦後、漫画家の横山隆一(09~2001年)の推薦で毎日新聞の嘱託となり、政治漫画を描き続けた。徹底的な取材を通して風刺やユーモアだけでなく時代の空気感まで表現し、その作品群は時代を超えて高く評価されている。
今回、寄贈されたのは1984年1月~85年2月の約1年間に描かれた漫画など約70点。掲載作品に対して同じ日付の原画が複数ある場合もあり、政治漫画に対する真摯(しんし)な姿勢が垣間見える。
美術館には那須作品の原画約7000点などが収蔵されているが、この間の作品は保管されていなかった。町教委主事で同館の学芸員、松村祥志さん(33)は「これで毎日新聞連載の『空白』が埋まりました」と喜んでいる。
今回の原画展では寄贈品の一部を含め、那須の51~89年の作品100点近くが展示されている。10月9日まで。高校生以上300円、小中学生100円、湯前町民は無料。【江口一】