ブラタモリ出演の教授ら解説 郷土学ぶ冊子、岐阜市図書館が販売
「おとなの夜学」は、市立図書館の中央館が入る複合施設「みんなの森 ぎふメディアコスモス」(同市司町)が開館した2015年から始まったイベント。テーマは伝統産業の「岐阜提灯(ちょうちん)」の歴史や「口さけ女伝説」、「岐阜は名古屋の植民地なのか」などと幅広い。郷土文化に詳しい専門家を招いた対談形式の講座が年に4~8回開かれている。これまでに42講座が開かれ、全講座が動画投稿サイト「ユーチューブ」の同図書館公式チャンネルで公開されている。
だが、主催は図書館。動画だけでなく小冊子も作成し、これまでに10作発売している。このほど、約1年ぶりに作成した通算11、12作目もマニアックだ。
11作目は岐阜の地理をテーマにNHKの人気番組「ブラタモリ」の出演などで知られる富樫幸一・岐阜大名誉教授らの解説を記した「まちづくり、下から見るか、横から見るか―『地理』と『景観』から岐阜市の誕生の謎に迫る―」。12作目は生糸貿易で財を成した旧柳津町(現岐阜市)出身の実業家、原三渓をテーマに「岐阜に生まれた美の巨人、原三渓―実業家・アートプロデューサー、二つの顔に迫る―」。いずれも市民にとっては興味深い内容に仕上がっている。
市立図書館の川合裕子館長は「臨場感を味わいながら講座の様子を読めるよう編集した。これをきっかけに岐阜に愛着を感じ、図書館でさらに知識を深めて」と話している。
冊子は25センチ×21センチの特殊なサイズで、税込み300円。同図書館2階で販売されているほか、市内の中学、高校、大学に1冊ずつ無料配布する。また、次回の「おとなの夜学」は夏か秋ごろを予定している。