〈エンダースキーマ〉と北欧のデザインスタジオ〈FRAMA〉がコラボ|小西亜希子の北欧デザイン通信
コペンハーゲンを拠点に、家具や照明、ボディケアなどのアポセカリーといったプロダクトからインテリアプロデュースまで幅広く手がけるデザインスタジオ〈FRAMA〉。2011年にクリエイティブディレクターのニルス・ストライヤー・クリストファーセンを中心に設立され、独自の感性に基づいた「普遍性」をテーマに、シンプルかつ幾何学的なアートワークを次々と生み出している。自然素材からアルミニウムまで多様な素材を用いたプロダクトは、コペンハーゲンのデザインシーンではもちろん、日本でも一目置かれている。
一方、〈エンダースキーマ〉は、東京・浅草を拠点にデザイナーの柏崎亮が2010年に設立したレザーブランド。職人の知識と経験、技術によって現代的なアイデアを実現する「ニュークラフト」をキーワードに、ヌメ革を用いたシューズやスニーカー、バッグや小物を展開。トッズやアディダスといったビッグネームとのコラボレーションも含め、手工業でモノづくりを行う職人らと協働し、ハイクオリティなプロダクトを展開している。
デザイン性の高さも相まって、2015年にはパリで展示会を行うなど国内外の錚々たるブランドやショップから絶えず注目され、レザーアイテムを展開するブランドとして今や押しも押されもせぬ立ち位置を築いている。
両ブランドに共通するのは、インスピレーションの源となり得るアートやクラフト、アナログとデジタル、古いものや新しいものといった既成ジャンルを軽やかに往来し、フラットな視点と独自の美学を持って製品に落とし込んでいるという点にあるだろう。どちらのプロダクトも、デザインやフォルムは至極シンプルでありながら、ディテールには程よいさじ加減の遊び心があり、一気にブランドアイデンティティを高めているように思う。