京都の国際的写真祭『KYOTOGRAPHIE 2023』が開幕!
4月15日から1か月間にわたって開催される『KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2023』が幕をあける。2013年に始動した同写真祭は、日本が世界に誇る文化都市・京都を舞台に実施される国際的な写真祭だ。国内外のアーティストの作品と、歴史的建造物や近現代建築などアイコニックな建築物とコラボレーションを果たす写真展で今年10年目。節目の年を迎える今回は、19会場で15プログラムを展示する。
今回のテーマは「BORDER=境界線」。個々の生命体の形成に重要な役割を果たしている「BORDER」だがその多くは不可視なものだ。今回、「KYOTOGRAPHIE」に参加するアーティストたちは、作品を通して「BORDER」の可視化を試みる。
作品のラインナップや展示形式は多彩だ。
〈二条城 二の丸御殿 台所・御清所〉では、写真家として独自の視点から衣服や人体を通して「人の存在」を撮り続けている高木由利子が、衣服にまつわる展示『PARALLEL WORLD』を実施。世界各国の民族衣装を日常的に着ている人々を記録するプロジェクトと、〈クリスチャン・ディオール〉とコラボレーションした最新作を含む、現代のファッションを撮影したシリーズをパラレルに展示する。
〈藤井大丸ブラックストレージ〉では、ウクライナ出身のボリス・ミハイロフの作品を展示。ソビエト連邦の崩壊に伴うウクライナの激変とその悲惨な結末を記録として残したミハイロフは、2枚のスライドを重ね合わせることで、公式なイメージを覆すような日常の風景が同時に映し出した《Yesterday's Sandwich》をスライドショーで見せる。
〈誉田屋源兵衛 黒蔵〉では自然と人間の関係性から世界の根源的なありようを探求し続けている山内悠が《自然 JINEN》を発表。山内が屋久島に9年通い、単身で森の中に1ヶ月近く過ごしながら自然と人間の距離感を探り続けた作品だ。