【瀬戸内国際芸術祭2022】豊島|ドンドロ浜近くに冨安由真らの新作が登場。
冨安由真《かげたちのみる夢(Remains of Shadowings)》
豊島南部の甲生地区にある、築100年あまりの古民家をまるごと作品に。小泉八雲の小説「和解」がインスピレーション源の一つになっている。家は中庭を囲んで納屋のようなスペースや母屋、風呂がある部屋などがあり、鑑賞者はそこを巡って行くことになる。
インスタレーションには主として、この家に残されていたものが使われた。ごく普通の生活が営まれているようで、どこかが違う。細部を細かく見ていくとその違和感はますます強くなる。夢と現実を行き来するような小説「和解」の世界と共通する感覚が味わえる。
ヘザー・B・スワン+ノンダ・カサリディス《海を夢見る人々の場所》
春会期から公開された、海を眺めるための椅子。冨安由真作品から近い海辺、ドンドロ浜にある。漁網や流木を思わせる曲線は、鉄による鋳造とは思えない柔らかさだ。正面の男木島を見ながらのんびりとくつろげる。
日比野克彦「種は船TARA JAMBIOアートプロジェクト」《TANeFUNe》
地域の人々と朝顔を育てる「明後日朝顔プロジェクト」から日比野克彦が「種は人と人、地域と地域をつなぐ船のよう」と感じたのがきっかけになって生まれたプロジェクト。「瀬戸内国際芸術祭2022」では瀬戸内海の自然について調査したり、物語を生み出すワークショップを行い、その成果を「ソコソコ想像船長小屋」で展示する。アートで人々の行動を変えて、社会的課題の解決を目指す。種の形をした《TANeFUNe》は春の小豆島に続き、夏は豊島の甲生地区、秋は粟島で活動する。
豊かな湧き水があることから「豊島」の名がある。内藤礼+西沢立衛〈豊島美術館〉、横尾忠則+永山祐子〈豊島横尾館〉、クリスチャン・ボルタンスキー〈心臓音のアーカイブ〉など。
豊島へのアクセスは「高松 – 直島(本村) – 豊島(家浦)」「高松 – 豊島(唐櫃)」「宇野 – 豊島(家浦) – 豊島(唐櫃) – 小豆島(土庄)」「京橋 – 犬島 – 豊島(唐櫃)」など複数の航路があるが、本数に限りがあるため、詳細は公式サイトにてご確認を。