永山瑛太がライカで個展!“展示によって、神秘性を帯びた写真たち”
―まず、ライカで展示をすることになった経緯を教えてください。
もともとカメラが好きで、ライカに興味がありました。初めて手に入れたのは、コンパクトデジタルカメラのライカD-LUX3です。20代中頃、出演した映画で賞を獲り、その賞金で購入しました。授賞式が銀座だったので、そのままライカ銀座店に買いに行きましたね。
そのとき、店頭にMシリーズが並んでいました。代表モデルのM型で撮ったらどうなるのかな?と思ってネットで調べたりしているうちに、ライカ沼やレンズ沼という世界があることを知り、徐々に物欲としてもハマっていったんです。
2016年に『GINZA』の連載が始まりました。その前にライカM6を手に入れました。ライカは初心者には難しいカメラ。それでも意地になってお金を掛けてでも撮れるようになってみせる!と連載を進めていきつつ、レンズなどを増やしていきました。
そしてあるとき、ライカM10が出た頃だと思うんですが、銀座店に自分のライカと写真に対する熱意をぶつけに行ったんですよ(笑)。
「ライカで撮って、連載は続いています。周りからどのカメラで撮ってるの?と聞かれることが多くなった。僕ならライカの良さを伝えられると思います!」って(笑)。そこから何度か打ち合わせをして、今回の展示となりました。
―すごい熱意ですね(笑)。設営された展示会場を見ていかがですか?
もう自画自賛、感無量ですね。映画だと俳優として演技のアラを探したりしちゃうんですが、自分の作品でここまで感動するっていままでにないことです。
―写真集で撮られた著名人の方たちの写真も多く出展されていますが、被写体とはどんなコミュニケーションを?
本人と打ち合わせして場所やシチュエーションなどを決めて、撮影中は二人きりにさせてもらって撮っています。
あと、著名人が被写体の場合、その人が過去どういう風に撮られているか調べて、いままでにない写真を撮るようにしました。
例えば長渕剛さんの息子ReN君はいつも前髪を下げているので、撮影ではオールバックにしてもらいました。田中泯さんには何をやってもいいといわれたので水を掛けたり。でも、撮影中、緊張してこっちが手汗でびしょびしょになりましたね(笑)。
カメラは武器みたいなもので、正直、向けられて心地良い人はあまりいない気がするんですよ。だからカメラを向ける際は、とにかく心を開きます。ふざけたり、面白いこといったり、奇声を発したりして何か起きないかなと思いつつ撮らせていただきました。
でも東京の会場の展示写真にはあまり笑顔の写真がないんですよね。
―笑顔を撮りたかったですか?
やっぱり、好きな人が笑っているというのは良いですね。
僕が撮った笑顔が自然なのか、そうじゃないのかわからないけど、撮られた瞬間、僕と向き合ったときの表情は僕にしか撮れないものがいい。
東京の会場は笑ってるカットがあまりないですが、京都会場や写真集にはいっぱいあります(笑)。