『割引求め…深夜のトラック大渋滞 高速・SAは大混雑』への皆さんの反応まとめ
■トラックが続々…車線を占拠
6日午後11時。東名高速の東京料金所の手前で止まり始める4台のトラック。
高速道路の路肩に車を止めるのは、事故などのやむを得ない場合をのぞいて原則禁止。トラックの運転手は、車内でスマホをいじっていて、緊急事態で止まっているようには見えない。
さらに、高速道路で車の外に出る危険な場面も…。
0時に近付くにつれ、駐車をするトラックが増え始める。そして、トラックですべての車線が覆いつくされる異様な光景。
渋滞の先頭では…。
ディレクター:「今、ノロノロと徐行しながら、トラックが、1台2台3台、ジリジリと東京料金所の方に迫ってきます」「料金所に向かって、ゆっくりと走っていきました。今、0時を回りました。トラックが一斉に料金所を通過していきます」
深夜0時前、1キロ以上も続いたトラックの大行列だが、10分後には、渋滞が解消していた。
■原因は“深夜割引”
この現象が、ほぼ毎晩繰り広げられているのは、深夜0時ごろだけ。その理由は、高速料金の「深夜割引」だ。
深夜0時から午前4時の間に高速道路を利用すると、すべての通行料が3割引きに。
4時間の間に1秒でも高速道路内にいればいいため、割引開始の0時直前になると、東名高速の出口の手前にトラックが集結し、0時をすぎた途端、一斉に料金所を通過していく。
トラックの運転手:「自分なんか毎日、本当に東京・大阪間行ったり来たりしてるので、距離走れば走るほどデカいですよね。節約すればした分だけ、(会社が)給料反映してくれるって話なので」
大阪(吹田インターチェンジ)~東京(インターチェンジ)間をトラックで走行した場合、深夜割引を利用すると、通常「1万7920円」のところ、深夜割引「1万2540円」となり、5380円の割引(大型車の場合)になる。
トラックの運転手:「昔に比べたら運航費だいぶ下げられてるんで、仕事はだいぶ減りましたね。やっぱコロナで衣類関係とか、衣類とかは(店が)閉まってたりするので、動かないですね」
コロナ禍での貨物減少に加え、燃料代の高騰がのし掛かる物流業界。少しでも運送コストを抑えるために、「深夜割引」は欠かせないものになっているという。
■サービスエリア大混雑…駐車場を占拠
元々は、一般道での騒音問題などを改善するため、高速道路の深夜利用を促すのが目的だった割引制度。しかし、その影響は、料金所以外にも…。
6日午後10時ごろ、東京料金所の25キロ手前にある海老名サービスエリア。およそ150台分ある大型車の駐車スペースは、すでに満車に。
海老名SAで休憩していたトラックの運転手:「午後9時すぎると、もう止められない。どこもすいてるところは、ないじゃないかな…」
“0時待ち”の影響で、トラックがごった返しているのは、ここだけではない。
海老名SAで休憩していたトラックの運転手:「足柄で最初、止まろうと思ってた。足柄も(駐車スペース)探しましたけど、もう、全然止められる状態じゃない。新東名に絡むところは全部いっぱい。岡崎、浜松、静岡、清水、沼津、足柄…もうすごい並んでましたから」
サービスエリアの混雑に、困惑している一般の利用者も…。
一般利用者:「乗用車の所に止めちゃうから、乗用車が止められなくなっちゃって。ただでさえ狭い所で、乗用車エリアに縦にトラックを止めちゃうんで。で、(SAに)入ったけど止められなくて」
普通車用の駐車スペースに止めてしまうトラック。なかには、本来だったら5台ほど止められる所に、1台で横に駐車しているトラックもあった。
■路肩駐車“長蛇の列”…危険な場面も
さらに、危険な行為も…。
一般利用者:「サービスエリアに入る前のところで止まっているんですね。道を塞ぐことになってしまって、小さい車で走っていると、怖く感じますよね」
東京料金所に一番近いパーキングエリアへ行ってみると…。なんと、狭い1車線の路肩にトラックが駐車。トラックの列は、中まで続いている。小型車専用のはずの、駐車スペースにも、大型トラックが止まっている。
さらに、パーキングエリアの出口付近にもトラックが止まっていて、かなり見通しが悪くなっている。
パーキングエリアから長く続く、路肩駐車の列。
別の日には、本線の合流地点まで、トラックの列が続いていた。
先月27日、静岡県にある浜松SAの出口付近の映像。路肩には、ずらりと並ぶトラック。本線合流に向けてトラックを加速させていると、暗くて視界が悪いなか、路肩に止まっていたトラックが急に車線へ飛び出しヒヤリとする瞬間も。
■運転手は「目的地の近くで寝たい」
実際に、路肩に駐車したことがあるというトラック運転手は…。
路肩駐車をしたことがあるトラック運転手:「ちょっとでも早く行きたいから。深夜0時回ってから、ここ(SA)出るよりもね。もう12時にインター(東京料金所)を出られるくらいの感覚で」
深夜0時になった途端に、東京料金所を通過する理由は…。
路肩駐車をしたことがあるトラック運転手:「さくっと(高速)降りて、目的地の近くで寝たいですよね、普通に考えて。朝、大体、7時8時くらいから仕事だもんで、それだけずっと寝てられる」
荷物の搬入作業が本格的に始まるのは、朝8時前後。トラック運転手にとって、夜中、現場近くに到着してから朝の搬入までの時間が、まとめて休息を取れるタイミングとなっている。
しかし、高速道路の深夜割引を受けるためには、深夜0時になるまで高速道路に居続けなければならない。
現場に着くのが早ければ早いほど長く休憩できるため、0時直後に料金所を通ろうとしているのだ。
深夜0時の割引まで、あと1時間半待機するトラック運転手。
深夜割引待機中のトラック運転手:「寝ちゃったら起きられないとか、アラームかけても気付かないとかあるので、1時間で寝るっていうのはね、なかなか厳しいのかなっていう。だから、この1時間あったら、例えばだけど、船橋まで着いてるかもしれないし。もっと早く(早い時間に)割引がきくようにしてくれれば」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2021年10月14日放送分より)