【Japan Data】大迫の活躍で「半端ない」に市民権? ―文化庁・国語に関する世論調査
文化庁の「国語に関する世論調査」では、著名人の発言やテレビなどで繰り返し使われた比較的新しい言い回しや、本来とは異なる意味で用いられるようになった言葉が一般に定着したかについて調べている。
「すごく速い」と言うべきところを、「すごい速い」を使うと答えた人は、1996年度調査では43.1%だった。使う人の割合は徐々に増加し、2021年度調査では59.0%とほぼ6割。年代別では、10代~40代までは「使う」人が7割を超えている。
「すごい速い」を使うことがあるか?
「すごい速い」年代別使用割合
「なにげなく」を「なにげに」に置き換えて使う人は、96年度は8.8%と1割にも満たなかったが、21年度は47.1%まで増えた。
「なにげに」を使うことがあるか?
「なにげに」年代別使用割合
「中途半端でない」を「半端ない」と省略する言い方は、「使う」と答えた人は2011年時点では20.1%だったが、21年度は46.4%。2018年のサッカー・ワールドカップでの日本代表の大迫勇也選手の活躍で「大迫半端ないって」が流行語となり、広く使われるようになったとみられる。
「半端ない」を使うことがあるか?
「半端ない」年代別使用割合
「打ち明ける」「ぶっちゃける」から変化した「ぶっちゃけ」を、「使うことがある」とした人は全体で41.4%。年代別では10代から50代まで広く浸透しており、30代では70.6%が使っている。
「ぶっちゃけ」年代別使用割合
一方、実態などを分かりやすく示すことを意味する「見える化」は、30代~50代で30%を超えているものの、全体的な定着度は低かった。
「見える化」年代別使用割合
「国語に関する世論調査」は1995年度から毎年実施。無作為に選んだ16歳以上の6000人にアンケートを郵送、約3600人から回答を得た