駅メモ! 「徳島ると」の遊山箱を地元漆器店が商品化…予約完売、返礼品にも
「ステーションメモリーズ!」は、全国各地の駅を活用した位置情報連携ゲーム。モバイルファクトリー(東京)が開発・運営し、「駅メモ!」の愛称で知られる。
昨年8月~今年3月、徳島市がゲームとのコラボイベントを開催。スマホの位置情報を用いて、市内の駅や観光スポットを巡るデジタルスタンプラリーが実施され、このイベントで赤色の遊山箱を持った少女のキャラクター「徳島ると」が初登場した。
同市籠屋町にある「漆器蔵いちかわ」の店員・斎藤久美子さん(48)はイベント開催中の昨年夏、常連客から遊山箱を持ったキャラクターの存在を聞いた。長く徳島の各家庭で愛用されてきた遊山箱だが、近年は生産・販売する店がなくなっていた。斎藤さんの母で、店を経営する市川貴子さん(74)は1995年に遊山箱を復刻し、販売。斎藤さんは母と一緒に、普及活動に取り組んできた。
イラストを見た斎藤さんは、「遊山箱がゲームに登場するまでになった」と感極まると同時に、「同じものが欲しい。作れないか」と考えたという。すぐに市役所を訪れ、職員からモバイルファクトリーの担当者を紹介してもらい、商品化の了承を得た。
今年2月、同社などから商品化が発表されると、SNSで話題に。商品の現物はまだなかったが、「お店を見たい」とわざわざ関東から訪ねてくれる高校生もいたという。
同20日に、3万800円(税込み)で予約受け付けを開始したところ、予定していた10個は同日中に完売した。斎藤さんは「値段も安くないので、予約が一件もなかったらどうしようと不安だった。本当にうれしかった」と振り返る。