教員勤務、改善傾向もなお長時間 文科省調査
調査は小中各1200校に勤務するフルタイムの常勤教員らを対象に実施。約3万5千人が回答した。
小学校での平日1日あたりの勤務時間は、校長が10時間23分(前回比14分減)、副校長・教頭が11時間45分(同27分減)、教諭が10時間45分(同30分減)。中学校では、それぞれ10時間10分(同27分減)、11時間42分(同24分減)、11時間1分(同31分減)。
小中とも短縮された在校時間は15~30分程度にとどまった。今回の集計を踏まえて文科省が試算した月の時間外在校時間は、小学校が約41時間、中学校が約58時間。国は上限を「月45時間以内」と定めており、中学校で上回っていた。
平日の業務別でみると、小中ともに「学校行事」の時間が減り、「授業」が増加。文科省の担当者は「新型コロナウイルス禍を契機として学校行事の選別や見直しが進み、浮いた時間が授業に回った可能性がある」と分析した。「成績処理」に充てる時間にも減少が目立ち、学校のICT(情報通信技術)化が効果をもたらしたとみられる。
土・日曜日の1日あたりの勤務時間も、小中いずれもすべての職種で減少。中学校では「部活動・クラブ活動」(1時間29分)が40分減と大幅に短縮された。週2日以上の休養日を設けるように求めた国の部活動ガイドラインや、部活動指導員の配置拡充などによる効果が出たとみられる。
公立学校の教員に残業代を支払わないと定めた「教員給与特別措置法」(給特法)は法律の施行から半世紀以上が経過し、見直しに向けた検討が進められている。今回の集計はその議論に活用される。