桜餅と三色花見団子のルーツに迫る!いまも昔も”花より団子”
桜の季節が近づくといただきたくなる菓子といえば桜餅。そんな桜餅は東と西で生地や形状が異なるのはよく知られた話ですが、関東風は小麦粉生地であんを包んだもの、関西風は蒸したもち米を乾燥させて荒挽きした道明寺粉を使用したものが一般的。しかしなぜ東西でこのような違いが生まれたのでしょうか?「桜餅が誕生したのは江戸時代。将軍徳川吉宗の命で植樹された、隅田川沿いの桜の葉を活用するための菓子が考案されたことが始まりといわれています」と教えてくださったのは和菓子の研究、資料収集を行う「虎屋文庫」の目崎奈津子さん。
「江戸の人々の間で人気を博していたのは薄く焼いた生地であんを包んだ桜餅です。それが後に関西地方にも伝わりますが、関西では道明寺粉を用いて作られました。明治の半ばに京都の嵐山近辺で道明寺粉を使った桜餅が、『嵯峨名物桜餅』として売られていた記録が残っています」。そもそも道明寺粉は大阪で発祥したといわれる素材。それが桜餅にも使われて、江戸で愛された桜餅とは異なる“関西らしい”味わいが定着したのでしょう。
桜餅の元祖、300年以上変わらぬ味と香り
3枚の桜の葉に包まれ、その香りがしっかり移った小麦粉生地の桜餅は、1717年の創業以来、隅田川沿いに店を構える「長命寺桜もち」のもの。初代が考案した味を約300年もの間、変わらず守り続けている。5個入り(箱詰)1,300円
DATA
営業時間/8時30分~18時
定休日/月曜
tel.03-3622-3266
東京都墨田区向島5-1-14
発祥の地、嵯峨嵐山で愛される老舗
関西風の桜餅“道明寺”発祥の記録が残る嵐山で、一年を通して道明寺を作り続ける「鶴屋寿」。春のみならず年間で楽しめるよう、桜色ではなく白い桜餅を作っている。もちもちの食感と上品な甘さが美味。「嵐山さ久ら餅」10個入り 2,289円