唐津市の「シアター・エンヤ」世界に紹介…国際交流基金が企画、8月からユーチューブ公開
同企画は昨年度に始まり、前回は6館を紹介。今回は北海道から沖縄まで10館を取り上げ、九州ではシアター・エンヤのみ採用された。約10分間の映像では施設やスタッフ、唐津の風景を織り交ぜながら、特徴や運営コンセプトなどを紹介する。
動画配信が盛んな時代になっても、「次代のクリエーターの育成など日本の映像文化の母体としてミニシアターが存在している点に着目した」と同基金の玄田悠大さんは企画の趣旨を説明する。ミニシアターは全国に約200館あり、国内で制作されている映画の約7割が上映されているという。
今回取り上げる10館それぞれに運営への思いや上映作品へのスタンスが違い、「個性を感じる点が面白い」と玄田さん。シアター・エンヤについては、映画館が街づくりの中心として機能し、市民のつながりも育んでいる点に注目した、としている。
公開にあたっては、紹介される各館が推薦する日本映画作品も8月から3か月間、特設ウェブサイトから無料で配信する。日本語音声に英語やスペイン語など六つの言語で字幕を付けて視聴できるようにする。シアター・エンヤは、唐津が舞台で同館が制作に携わった大林宣彦監督作品「花筐」(2017年、169分)を推薦した。
4日の撮影では、市中心部の複合商業施設内にある映画館の外観や場内の風景を4人のクルーが映像に収めていた。甲斐田館長は「唐津の映画館が世界に向けて紹介されることになり、光栄。映画館が文化芸術を通して地域づくりの拠点となり、少子高齢化社会の希望となれるよう頑張ってきた。市民の誇りに思ってもらえればうれしい」と話していた。