最年少9歳のプロ棋士・藤田怜央初段が初の公式戦 序盤から果敢に攻めるも白星ならず
25日午前10時前、緊張した面持ちで会場入りした小学3年生で9歳のプロ棋士・藤田怜央初段。中国や韓国などの最年少記録も塗り替えて、わずか9歳4か月という「史上最年少」でプロ棋士になりました。25日は地元・大阪でプロ初の公式戦となる新人王戦の予選に挑みました。対局相手の渡辺貢規四段(25)との年の差は16歳です。
藤田初段が囲碁を始めたのは4歳の時。きっかけは意外なことでした。
(父親 藤田陽彦さん)
「オセロを朝起きたら『やろ』って持ってきますし、(私が)仕事から帰ってきたらまた『やってくれ』と言い続けますんで」
とにかくオセロが大好きだったそうで、「オセロをやろう」とせがむ息子の熱意に対応仕切れなくなりオセロ教室を探したものの見つからず、見た目が似ているという理由だけで囲碁教室に通わせることになったんだといいます。その2年後、囲碁のイベントでこんなことを話していました。
(藤田怜央初段※当時6歳 2019年)
「(Q将来は何になりたい?)プロ棋士になりたい」
その夢を叶えて迎えた今回のプロデビュー戦。序盤、果敢に攻めますが、守備の甘さをつかれて劣勢に…。巻き返しを狙い攻めの姿勢を貫きましたが、初白星ならず。しかし、大器の片りんをうかがわせる一戦でした。
対局後、父親とともに記者の前に姿を見せた藤田初段は…。
(父・陽彦さん)「最初は緊張した?」
(藤田初段)「…」
(父・陽彦さん)「途中からいつも通り打てた?」
(藤田初段)「…」
日頃から言葉少なですが、この場では思いを口にすることはありませんでした。
(父親 藤田陽彦さん)
「勝てたらよかったですけどそんなに甘い世界でもないですし、この経験を生かして将来的に大きくなってもらえれば。いい経験ができたかなと思います」
大舞台を終えた藤田初段。プロ棋士の道はスタートしたばかりです。