• Online Tools
  • - Calculators
    • Character Count
  • - Download
    • TikTok Download
    • DouYin Download
  • - Web Tools
    • BASE64
    • Base64 to Image
    • Image to Base64
    • URL Encoding
    • JavaScript
    • Timestamp
    • Unicode Converter
    • JSON Format
    • Modify Extension
    • Make List
    • CSS Optimizer
  • - Encryption Tools
    • MD5 Encryption
    • Random Generator
  • - Image Tools
    • Image Compression
    • QR Code Generator
    • QR Code Reader
    • Wallpaper Preview
    • Image EXIF
  • - Info Sheets
    • Blood Type Heredity
    • Clothing Sizes
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
『「歴史の終わり」の後で』フランシス・フクヤマ著、マチルデ・ファスティング編、山田文訳 評者:河野有理【新刊この一冊】
2022-07-21
『「歴史の終わり」の後で』フランシス・フクヤマ著、マチルデ・ファスティング編、山田文訳 評者:河野有理【新刊この一冊】

「歴史の終わりの終わり」。ロシアのウクライナ侵略を受けてこのような感慨を覚えた向きも多いのではないか。かくいう評者もその一人である。たとえば、冷戦以降の「民主化」の象徴ともいうべきマクドナルドのロシア撤退。それは冷戦終了時には確かに世界中で共有されていたはずの「ハッピーエンド」感が最終的に消失したことを、何よりも雄弁に物語っているように思われる。

 こうした感慨が全くの間違いということはないであろう。だが、その際、「歴史の終わり」という言葉を使うのは少し慎重になる必要がある。フランシス・フクヤマのロングインタビューで構成される『「歴史の終わり」の後で』を読むとそのことに気づく。そう、「歴史の終わり」とはフランシス・フクヤマが1989年にほぼ同名の論文を発表して以来広く人口にしたフレーズである。だが、「歴史の終わり」とは、当時も今も広く誤解されているように、単に自由民主主義の政治体制が共産主義に勝利したことのレトリカルな表現などではない。それは理想の政治体制をめぐるものなのだ。共産主義が崩壊した以上、人類が目指すべき理想としては「自由民主主義」以外のものはもはや残されていない。それこそフクヤマが「歴史の終わり」で表現したかったことなのだ。

 したがって、原著は事件勃発前に刊行されているのだが、ロシアの侵略が「歴史の終わりの終わり」を意味するのかと聞かれた際のフクヤマの答えは明らかだ。「そうではない」。なぜなら、この事件を受けて自由民主主義体制の威信が世界的に動揺したようには見えないからだ。むしろ今回動揺したのは、ロシアが体現する権威主義の威信の方であろう。今回もまた「歴史の終わり」は終わっていないのである。

 だが、そのことはフクヤマの思考がこの30年間変化しなかったことを意味しない。第一に、共産主義に代わる自由民主主義のライバルとしての権威主義の脅威にフクヤマは敏感であった。ただし、その際の脅威は中国であって、ロシアではない。自由民主主義に代わる「理想」の座を権威主義が占めることがもしあるとすれば、それを可能にするのは中国による「スマートな権威主義」以外にはない。

 第二に、フクヤマの関心は自由民主主義の理想そのものというより、それを実現する前提条件の探求へと向かった。その解答は強力な法の支配に基づく近代的な国民国家の必要性であった(本書ではウクライナが「国民国家」として自立する可能性にも触れられており、それもまことに興味深い)。

 本書の読みどころの一つは彼の自伝的語りだ。比較文学・古典専攻から社会科学へと「転向」した経緯もさることながら、日本の読者にとってとりわけ興味深いのは彼のルーツにかかわる部分だろう。彼の両親はともに日本人だ。だがそこで、日本に対する思い入れのたぐいを期待するなら当てが外れることになる。日本人コミュニティにおける教育をほとんど受けなかったという彼にとって、エスニックなルーツはほとんど意味を持たない。むしろ社会学者だった父に由来する西洋的教養の影が濃い。

 冷戦後叫ばれた国民国家の相対化の潮流のなかで、時に反時代的にも聞こえる「国民国家」を擁護するその姿勢と、彼のこうした生い立ちとはおそらく無縁でないのだろう。

(『中央公論』2022年8月号より)


【著者】
◆フランシス・フクヤマ〔Francis Fukuyama〕
1952年アメリカ生まれ。政治学者。『歴史の終わり』『「大崩壊」の時代』『アメリカの終わり』など著書多数。

◆マチルデ・ファスティング〔Mathilde Fasting〕
ノルウェーのエコノミスト。シンクタンクマネージャー兼フェロー。

【評者】
◆河野有理〔こうのゆうり〕
1979年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。専門は日本政治思想史。著書に『明六雑誌の政治思想』『偽史の政治学』などがある。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/f9f6cbe483eb9271a585dcfd38a88fcc7abc8981

Other Tools
  • Character Count TikTok Download DouYin Download BASE64 Base64 to Image Image to Base64 URL Encoding JavaScript Timestamp Unicode Converter JSON Format Modify Extension Make List CSS Optimizer MD5 Encryption Random Generator Image Compression QR Code Generator QR Code Reader Wallpaper Preview Image EXIF Blood Type Heredity Clothing Sizes
  • <司書のコレ絶対読んで>「王さまと九人のきょうだい」君島久子訳、赤羽末吉絵
    2024-05-29

    歯科医師の技術で愛好家も納得するサウナを細部まで再現するミニチュア作家
    2024-05-30

    授業中の生徒や住民が弾道ミサイル飛来を想定した避難訓練 福島・須賀川桐陽高
    2024-05-31

    むのたけじ賞、名称変更 「生前に障害者差別発言」
    2024-05-31

    幸田文の名言「台所に立てば、…」【本と名言365】
    2024-05-30

    作曲家ビゼーの窮地を救った傑作オペラ『真珠採り』の聴きどころは?【クラシック今日は何の日?】
    2024-05-31

    【光る君へ】平安時代、強烈なエピソードで知られた2人の受領とは
    2024-06-01

    エリザベートコンクールで吉田さん6位入賞
    2024-06-01

    富士山麓のダイナミックな食材を味わう“奥・山梨”のガストロノミー〈Restaurant SAI 燊〉。
    2024-06-01

    「工芸的美しさの行方―うつわ・包み・装飾」が東京と京都で開催。第1弾はBONDED GALLERYにて7月から
    2024-06-03

    小学館「作家の意向第一に協議」 映像化指針、ドラマ原作者死去で
    2024-06-03

    レイモンド・ローウィの名言「優れたインダストリアルデザインは、…」【本と名言365】
    2024-06-04

    2025年春に「直島新美術館」が誕生。既存の活動から新しい価値創造を目指す
    2024-06-04

    美術評論家連盟が「ガザ戦争に対する意⾒表明」を公開
    2024-06-04

    建築家・白井晟一設計の個人住宅「桂花の舎」が江之浦測候所に移築へ
    2024-06-04

    「CLAMP展」が国立新美術館で7月より開催。展示数は史上最多の約800点
    2024-06-04

    謎多き家形埴輪 「考古学の空白」に挑む橿考研ベテラン研究員、念願の特別展開催中
    2024-06-04

    京都・祇園祭の「長刀鉾」稚児決まる 記者会見で「頑張ります」
    2024-06-06

    佐渡金山の世界遺産登録、「情報照会」勧告
    2024-06-06

    佐渡金山「情報照会」と勧告 世界遺産登録に可能性残す
    2024-06-06

    ©  Dopu Box
    💛