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櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:人生を楽しむ術
2022-11-05
櫛野展正連載「アウトサイドの隣人たち」:人生を楽しむ術

 浜名湖の北東部に位置する静岡県浜松市北区。住宅街の間に広大な畑が点在する長閑な道路を走っていると、目的地である「城」が見えてきた。敷地の庭に建てられたこの「城」は、高さ2.7メートルほどで断熱材や発泡スチロールを使ってつくられている。長野県松本市にある松本城を模したもので、松本城の特徴である連結複合式の天守まで見事に再現されている。近づいて見ると、その歪な形状や手描きの屋根瓦、そして経年劣化による塗装の剥がれなど、手づくり感満載の造形が何とも味わい深い。実は、この「城」は単なるオブジェではなく、犬小屋としてつくられたもののようだ。


 作者は、この家に暮らす山下弘明(やました・ひろあき)さんで、20年以上前に飼っていた芝犬ナナミのために、仕事の合間にコツコツと半年ほど掛けて制作した。総工費は5万円だという。


 「以前につくった大型の犬小屋が台風で飛んでいったもんで、せっかくだから旅行で見てきた松本城をつくってみようと。完成したあと、最初の1週間は犬も頭を突っ込む程度だったけど、しばらく経つと、ちゃんと中で休んでくれるようになって。犬は雷が苦手だからそれを避けるための部屋もつくったんだけども、そっちは入らなかった」。


 山下さんは、この地で3人きょうだいの末っ子として生まれた。小さい頃から手先が器用で、小学校5年生ごろに学校で開催された凧揚げ大会では、父親に手伝ってもらい、畳二畳ほどの一番大きな凧を自作して参加したこともあるようだ。そんな父親は山下さんが小学校6年生のときに脳梗塞が原因となり、48歳の若さで帰らぬ人となった。


 中学卒業後は、家計を助けるため市内の溶接会社へ就職した。自工具の製作や旋盤仕事などに従事していたが、将来への不安を感じるようになり、歌手になる夢を理由を2年で退職。「歌手にはなりたかったけど、家計のこともあって実際に上京することはできなかった」と当時を振り返る。しかし、このときに覚えた技術が下地となり、独学での創作につながったようだ。その後は料理店やスナック勤務、トラック運転手、着付け教室の営業職など仕事を短期で転々とし、23歳からはエネルギー専門商社で勤務。33歳のときには10歳下の妻と結婚し、2人の娘を授かった。14年ほど働いていたが、37歳になると、給与面で待遇の良かったバス会社へ転職し、65歳まで勤め上げた。


 「これまでの仕事は、自分の受け持ちを終わらせると、誰かの手伝いをしなくちゃいけない仕事ばかりだった。やることやって早く遊びたい性格だったから、いままで転職を繰り返してたんだけども、バスの仕事が自分には合ってた」。


 山下さんによれば、優良運転手として会社で何度か表彰され、乗客からの評判も良かったという。何より、人から感謝される仕事であった点が山下さんのやりがいにつながったようだ。


「バスガイドをしていた義姉が、遠足でアテンドした子供たちが拾ってきた仔犬を預かることになったんだけど、家を不在にすることが多いもんだから、うちで飼うことになってハチって名前をつけたわけ。しばらく経つと年老いて元気がなくなってきたもんだから、近所から芝犬を譲ってもらって来て、ナナミって名付けたの。いまから10年以上前に16歳ぐらいで他界しちゃったけどね」。


 城をつくり始めたとき、近所の人たちから「何をつくってるのか」「変なものをつくって」と冷ややかな目で見られることもあったが、全国ネットのバラエティ番組で取り上げられたことを機に、態度が一変したという。


 その後は浜松城の大手門を模した木製の小さなオブジェを制作。当初は野菜の無人販売所として利用していたものの、しばらく経つと管理が大変なため販売を中止してしまったようだ。


 そして「こっちにもあるでよ」と案内してもらった裏手の広大な畑には全長が6メートル、両翼の長さは7メートルもの零戦が置かれていた。山下さんによると、木でつくった支持体の上から農業用シートを貼って塗装を施したもので、テレビで放映されていた映画『永遠の0』を観たことがきっかけで、5年ほど前に制作したようだ。


「なかなか制作が進まなかったんだけど、近所の人に『今度は零戦をつくる』って言いふらして自分を鼓舞したもんで。その年の10月に開催された祭りで公開するために、急ピッチで制作したのよ」。


 零戦のプロペラは風が吹くとあまりに回転しすぎるため、ロープで縛ってあるし、コクピットの運転レバーに至ってはトイレのラバーカップを使用しているなど、一つひとつのエピソードがなんとも愛くるしい。搭乗体験ができるため、毎年のように近所の幼稚園や保育園の子供たちが連れ立って見学に来ているという。


 そんな山下さんの最新作は、昨年3ヶ月で制作したという高さ3メートルの札幌時計台の模型だ。「松本城と違って真剣につくったもんでクオリティが違う」と断言するように、その精巧さに思わず目を見張ってしまう。山下さんのつくるものすべてに設計図が存在しないというから、何という空間認知能力の高さなのだろう。


 「家の前が通学路になってて、中学生が通るもんでさ。バス会社から貰ってきた時計を飾ってたんだけども、雨で壊れちゃってたから、時計あると助かるんじゃねぇかと思ってつくったわけ。実際にうちの時計を見て、中学生が慌てて学校へ行ってるんだよね」。


 時計台の扉を開けると、災害時に備えて人がひとり横になることができる部屋があり、2枚のブルーシートやフライパンに鍋、ガスボンベなど備蓄用品一式も常備されている。「今後は五重塔を制作したい」と、山下さんの創作の火種が消えることは、まだまだないようだ。

 「最近はこの壁に富士山の絵を描いている」という倉庫の中には、床下に大きな穴がぽっかりと空いていた。


 「15年ほど前、北朝鮮からテポドンが飛んでくると騒ぎになったとき、急いで防空壕を掘ったでよ。これが創作のスタートで、雨を防ぐために、この穴に合わせて倉庫を建てたわけ」。


 なんとも豪快なエピソードだ。山下さんはバス会社に勤務していた頃から、「他の人はギャンブル漬けになっていたけど、それじゃ時間がもったいないなと思って。休日も家の中にいて、ずっとテレビ見てるだけじゃ駄目だ」と手を動かし続けてきた。それが評価されるかどうかなんて気にすることもなく、頭に浮かんだものをつくり続けることで、自分の人生を楽しんできたのだろう。


 退職後の人生をどう過ごしていくのかは、超高齢化社会の大きな課題だが、言い方を変えれば、高齢期は世間のしがらみにとらわれない自由な生活を送ることができる唯一の時間だと言うことができるだろう。人生100年時代に、僕らはどのように充実した余生を送ることができるのだろうか。そのヒントは、山下さんのような先人たちの足元に転がっている気がしてならない。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/97589960c467e0347bce7913d30f5c01b8e64a98

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