基準地価・東京 全用途1・7%上昇 商業地もプラスに
■住宅地
住宅地で1平方メートル当たりの最高額は前年に続き「港区赤坂1―14―11」で504万円。2位は「千代田区六番町6番1」(420万円)、3位は「千代田区三番町9番4」と続いた。
23区の区別で上昇率が最も高かったのは中央区の4・0%。新宿区が3・7%、中野区と豊島区がいずれも3・3%で続いた。23区全域の上昇率は2・2%(前年0・5%)。前年は97地点が横ばい、28地点が下落だったが、今年は全348地点が上昇した。
上昇率が最も高かった地点は「中野区新井2-8-10」で5・6%。都の担当者は「区全体の上昇傾向に加え、中央線沿線という交通利便性の高さと駅前再開発への期待もあり、割安感が生まれて見直されたようだ」と分析している。
多摩全域の上昇率は1・0%。24市がプラスとなり、2市2町1村が横ばいだった。市町村別で上昇率が最も高かったのは国立市の2・7%(前年0・7%)。武蔵野市の2・6%(同1・5%)、調布市の2・5%(同1・1%)が続いた。
■商業地
商業地で1平方メートル当たりの最高額は17年連続で「中央区銀座2―6―7(明治屋銀座ビル)」の3930万円(前年3950万円)だった。都の担当者によると、上位5位中4地点が前年比マイナスとなったのは、「コロナ前に大きく伸びていた地点で、回復しきれていないため」とした。
23区全域の上昇率は2・2%となり、前年のマイナス0・3%からプラスに転じた。横ばいだった中央区を除く22区でプラスとなった。
区別で上昇率が最も高かったのは杉並区の3・8%(前年0・6%)で、北区の3・7%(同0・4%)、いずれも3・5%だった中野区(同0・6%)と荒川区(同0・4%)が続いた。
上昇率トップは「足立区千住三丁目70番2」の6・2%。鉄道各線が乗り入れる北千住駅の利便性と、駅前再開発や大学進出による活性化への期待が高まり、同駅周辺は上位5位以内に3地点がランクインした。
多摩地区全域の上昇率は1・5%となった。24市でプラスとなり、2市2町で横ばいとなった。市町村別で上昇率が最も高かったのは、府中市の3・8%(前年0・5%)だった。(外崎晃彦)