岐阜市民会館、愛知・稲沢市役所本庁舎 ドコモモのモダン建築に選定
同支部は00年から、革新性などがあり保存が望まれる1920年から79年までに建てられた全国の建築物を選んでおり、これまでに毎日新聞東京本社がある「パレスサイドビル」など250件を選定。21年度は全国から14件を選び、選定建築物は計264件となった。岐阜からは3件目、愛知からは12件目の選定建築物となる。
岐阜市民会館はさまざまな色のタイルが張られた円すい台形の大ホールを、立方体の集合体が上空から見て「L字」に囲んでいる意匠が特徴的。地上4階、地下1階の鉄筋コンクリート造り。岐阜県出身の建築家、坂倉準三氏が手掛け67年に完成した。「低層部と大ホールの巧みな構成により、市民のための空間を生み出している」と評価された。
稲沢市役所本庁舎は、京都大の研究室を源流とする設計事務所が設計し70年に完成。大屋根を外周柱が支えるダイナミックな形態が特徴的で71年度中部建築賞を受賞。地下1階、地上4階の鉄骨鉄筋コンクリート造り。「天井が高く開放的。市民を主役としながら、行政と議会の独立性も表現している」と評された。
6日にオンラインで記者会見した代表理事の渡辺研司東海大教授は「近代建築物の重要性や価値を全国の方に知ってほしい」と話した。【川瀬慎一朗】