“もの派”とはそもそも何か。兵庫県立美術館『李禹煥』展の開催を記念した、李禹煥×浅田彰対談
音楽家、坂本龍一との交流も明かされた。坂本龍一の約6年ぶりとなるオリジナルアルバム『12』のジャケットに、李禹煥さんは新作ドローイングを提供する。アルバムは2023年1月17日にリリースされる予定だ。
さらに、浅田は「李さんはオリエンタル(東洋らしさ)ではない。惑星と生きていくうえでみんな本当は気付いたほうがいいということを主張されたのだと思う」と述べた。
李はこれに応じ、「オリエンタルと言ったらアウトなんです。そういうことじゃない。人間は自然の中で発達してきたもので、もとの要素を引き出せば似たものが出てくるという話なんです。アジア、日本、韓国、などと言ったところで何もならない」と力を込めた。
最後に、浅田は「李さんは植民地化され分断された韓国から日本に来て、いまも日本で本拠を置きながら活動されている。これは日本の誇りであるとあえて言いたい。このようなアーティストが日本にいることは本当に誇っていいことだ」と締めくくり、会場は拍手に包まれた。
特別展『兵庫県立美術館開館20周年記念 李禹煥』
開催期間:~2023年2月12日(日)
開催場所:兵庫県立美術館
兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通1-1-1 (HAT神戸内)
TEL:078-262-1011
開館時間:10時~18時
休館日:月、年末年始(12月31日~1月2日)
料金:一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生以下 無料、70歳以上 800円