当時のオリジナル家具も販売! 菊竹清訓とル・コルビュジエ建築の共通点って?
菊竹清訓は自邸である〈スカイハウス〉(1958年)や〈出雲大社庁の舎〉(1963年)などを手がけた建築家。1960年代より黒川紀章や川添登らと「メタボリズム」を提唱し、国際的に評価されているモダニストだ。
その菊竹を代表するメタボリズム建築〈館林市民センター〉(1963年)が今、同時代のメタボリズム建築と同じように、老朽化を理由に解体の危機に立たされている。
そんな状況を憂いた関係者が、建物の魅力を発信すべく、ユニークな展示・販売会を開催する。
見所はなんといっても、菊竹が同時代にデザインしたオリジナル家具の展示販売だろう。《コトブキのための椅子》《都城市民会館のための椅子》《バス停のための椅子》などが展示され、うち一部は販売も行われる予定だ。
もう一つ、この展示が特にユニークなのは、菊竹が〈館林市民センター〉を設計した際に参照したとされているル・コルビュジエ建築との共通項にもフォーカスする点。
実際、〈館林市民センター〉の渡り廊下に採用されている波状のガラスウォールは、ル・コルビュジエが弟子のヤニス・クセナキスと〈ラ・トゥーレット修道院〉(1959年)のためにデザインしたガラスウォール「オンデュラトワール」に瓜二つだ。
会場では、そうした縁を表現するべく、館林出身オーナーが運営する〈ATELIER GALLERY〉によって、ル・コルビュジエのヴィンテージ家具もコーディネートされる。
ともにモダニズムの時代を生きた日仏のマエストロが、空間でどのような共演を果たすのか、ぜひ会場で確かめたい。
〈館林市民センター(旧館林市庁舎)5階講堂・5階会議室〉群馬県館林市仲町14-1 。2022年11月23日~11月27日。10時~17時。入場無料。