21世紀国際書展 グランプリに友野美豊さん 来月12~16日、横浜で開催
応募作品の中で最も優秀と認められた大賞の文部科学大臣賞には、第1部門(漢字)が横浜市の小林南峰(なんぽう)さん(40)、第2部門(かな、刻字など)は川崎市の菅沼芳香(ほうこう)さん(64)が選ばれた。
グランプリを受賞した友野さんは「身に余る賞をいただきました。本当に自分でいいのかと驚いています。高く評価され、とてもうれしく思います。指導してくれた方々らに心から感謝したい。受賞を契機にこれからはもっと、自分らしさを出せる作品を書いていきたい」と喜びを語った。
自民党総裁賞の小林さんは「大きい賞をいただくのはありがたいことです。もっとも、(かななどの書法の一つである)『散らし書き』で字の大きさや配置を練ったり、時間をかけて筆や紙を選んだりしていれば、よりいい作品に仕上げられたかな、という後悔も少しあります。いつか自分が完璧と思える作品を書きたい」と、さらに精進すると意気込んだ。
中国大使館文化部賞の栗原さんは「賞をいただけるとは思っていなかったので、不思議な気持ちです。長く教えてきた生徒も受賞でき、自分のこと以上に喜ばしく感じます。作品を書くこと、出品することに意義があり、書かなければ腕は落ちてしまいます。今後も筆をとり続けます」と笑顔を見せた。
韓国大使館韓国文化院賞の斎藤さんは「立派な書家の先輩方がいただいた賞であり、まだ自分には遠いと思っていた。深い感銘を覚えます。これから生徒を指導する際の糧にもなります。受賞作は、古希を迎えた心境を詠んだ詩であり、その年代を迎えたときに扱いたいと考えていました」と語った。
一方、文科大臣賞の小林さんは「まさか自分がこのような大きな賞をいただけるとは、思いもよらないことでした。とても満ち足りた気持ちです。楷書の古典として名高い『九成宮醴泉銘(きゅうせいきゅうれいせんめい)』の格式高い文体に憧れてきました。これからは楷書に限らず、さまざまな書体に取り組んでいきたい」と話した。
同じく文科大臣賞の菅沼さんは「素晴らしい賞をちょうだいし、感激しています。漢字と詩文をあわせて書いたのは初めてで、にじみや掠(かす)れの表現も自分なりに納得できる仕上がりになりました。これからは作品の幅をもっと広げられるよう、(文字の内容を形にして表現する)象書などに挑戦したい」と語った。
21世紀国際書展は7月12~16日、横浜市民ギャラリー(横浜市西区宮崎町26の1)で開催される。入場無料。午前10時から午後6時まで(最終日は午後4時まで)。JR桜木町駅前から無料送迎車によるサービスがある。問い合わせは同ギャラリー(045・315・2828)。
授賞式・祝賀会は7月15日、「HOTEL PLUMM」(同市西区北幸2の9の1)で行われる。
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