• Online Tools
  • - Calculators
    • Character Count
  • - Download
    • TikTok Download
    • DouYin Download
  • - Web Tools
    • BASE64
    • Base64 to Image
    • Image to Base64
    • URL Encoding
    • JavaScript
    • Timestamp
    • Unicode Converter
    • JSON Format
    • Modify Extension
    • Make List
    • CSS Optimizer
  • - Encryption Tools
    • MD5 Encryption
    • Random Generator
  • - Image Tools
    • Image Compression
    • QR Code Generator
    • QR Code Reader
    • Wallpaper Preview
    • Image EXIF
  • - Info Sheets
    • Blood Type Heredity
    • Clothing Sizes
  • [email protected]
DopuBox
  • English
  • Español
  • Français
  • 日本語
  • 한국어
  • 简体中文
  • 繁體中文
全部 ニュース Meta Code 文化・アート
門井慶喜の史々周国 清盛の自画像を見た 広島・厳島神社
2022-07-02
門井慶喜の史々周国 清盛の自画像を見た 広島・厳島神社

素顔の厳島神社が見たい、と思った。

ふだん雑誌やパンフレット等で見るのは、よそゆきの写真ばかりである。たとえば海中で仁王立ちする大鳥居。その青い水面では朱色の鳥居があざやかに逆立ちしている。あるいはたとえば社殿の床下。ひたひたと潮が寄せてお伽話(とぎばなし)の竜宮城さながら。

しかもそれらが平家の時代、八百年以上も前には成立していたと言われると何だか八百年間おなじ光景がつづいているように思ってしまうが、しかしよく考えるまでもなく、潮というのは満ちれば引くものである。

引いたときには鳥居も社殿も、いわば陸上のそれになる。陸上の神社ならどこにでもある。明快な外観を剝奪されたときに現れるものこそ真の個性であることは、文化財も、そしておそらく人間もおなじだろう。そんなわけで私はまたしても愛用のゼロニューヨークの青いリュックを引っぱり出して、新大阪から新幹線に乗った。宮島へ着いたら雲が晴れ、青空になっていた。

おりよくと言うべきか、潮はすっかり引いていた。大鳥居も修理工事のため灰色のシートで覆い隠されていて、今回の目的には打ってつけだ。私は社殿のなかに入った。床(ゆか)は板敷き。天井が高くなく、朱色の丸柱が林立しているが、意外と窮屈な感じはしない。

たぶん壁がないからだろう。振り返れば柱と柱のあいだには青空が望めるのである。いったいにこの神社が平安末期、平清盛の援助を得て大発展したことはよく知られているが、そのころの貴族の住宅の基本形をそのまま採用したのがこの社殿なのだ。

いわゆる寝殿造(しんでんづくり)である。家に壁がないというのは現代の私たちには驚きだが、屋外との区画のためには重い蔀戸(しとみど)を吊(つ)り下げるし、内部の仕切りには几帳(きちょう)などを立てる。間取りは自由自在である。

つまりは『源氏物語』の世界なのだ。象徴的に言うならば、厳島神社には光源氏(ひかるげんじ)がいる。王朝的、文化的、内向的な空間。しかも下は浜砂(はますな)である。たとえ潮は引いていても海のにおいは濃厚だし、何といっても柱の下には貝類や甲殻類がちょこちょこ付着している。

『源氏』だけにフジツボか、などと冗談のひとつも言いたくなる。そうしてこういう生物には船の底にくっついて速度を低下させたり、燃料消費を増大させたりといった迷惑な印象も強いので、そこで社殿そのものを巨大な船と見立てることも可能になる。

浜砂の上にずるずる引っぱり上げられた屋形船。満潮時だったらかえって建物の不動性が感じられ、船のイメージは薄くなっただろうが、実際おそらく、平清盛の目にも、この建物はやはり同様の連想において船に見えたと思われる。

そうして清盛にとって船というのは、まず何よりも兵器だったはずだ。なぜならもともと清盛の系統の平氏は伊勢国を根拠地としていて(伊勢平氏という)、伊勢湾、三河湾、およびその沿岸地域を足がかりにして数代にわたって成長している。いわば海の一家なのである。事実、清盛の父や祖父などはわざわざ西国まで出向いて海賊を追捕することで京の朝廷の信用を得たのだ。

保元の乱、平治の乱といったような京をめぐる有名かつ劇的な陸上戦は、長い平家の歴史のなかでは最後の仕上げにすぎない。そんなわけだから船というのは武士的、戦闘的、外征的なものの象徴であり、そのいっぽうで、さっきも言ったとおり、この社殿は寝殿造である。王朝的、文化的、内向的な住宅。

どうやらここで、この神社はようやく真の姿を明らかにしたようである。武家と公家の融合。戦争と宮廷政治の両にらみ。平家政権そのものの姿ではないか。

清盛など、その典型にして頂点だった。武門の棟梁(とうりょう)でありながら太政大臣という朝廷最高の官職に就いた。そうして一門の武将も大なり小なり同様に公武兼業だったので、清盛はつまり厳島神社を大改装して、いまの姿にしたときに、いわば自画像を描いたことになる。私の見たかったこの神社の素顔とは、まさしく清盛の顔だったのである。

結局のところ、平家は負けた。

源氏に奇跡の大逆転をゆるし、西の果ての壇ノ浦まで追いつめられて滅び去った。文字どおり海の尽きが運の尽きだったわけだが、もしも滅んでいなかったら、そうして清盛がもう少し長生きしていたら。

彼は幕府をひらいていたかもしれないし、そうなったら現在、歴史の教科書に「鎌倉時代」とあるところは「宮島時代」になっているかもしれない。NHK大河ドラマのタイトルも……私はそこで空想をやめ、朱色の丸柱のあいだを縫って社殿を出た。潮はまだ満ちる気配はなかった。

ソース元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/d263f8c8b9ad35a58015b5812175b67ebe025f6f

Other Tools
  • Character Count TikTok Download DouYin Download BASE64 Base64 to Image Image to Base64 URL Encoding JavaScript Timestamp Unicode Converter JSON Format Modify Extension Make List CSS Optimizer MD5 Encryption Random Generator Image Compression QR Code Generator QR Code Reader Wallpaper Preview Image EXIF Blood Type Heredity Clothing Sizes
  • 被害者「問題解決には程遠い」 旧ジャニーズ被害者らが会見
    2024-05-29

    MURAKAMI × Liquem 夢のコラボアクセが再登場☆|長山智美 デザイン狩人
    2024-05-30

    一力が本因坊初防衛
    2024-05-30

    民藝・イズ・ビューティフル。 日本文化と黒人文化が融合する「アフロ民藝」とは?
    2024-05-30

    住所要件の指摘受け自主的に転入 東京・足立区の20代選管委員・古野香織さん
    2024-05-30

    元アシスタントが語る Dr.スランプ「あのキャラ」の誕生秘話
    2024-06-01

    芸術レベルのグッズも登場! パリ・東京・大阪の名コレクションが集まる「TRIO展」
    2024-06-01

    映像化は「作家の意向第一」と小学館が指針
    2024-06-02

    フジコ・ヘミングさん偲ぶ魂のピアノ旋律
    2024-06-03

    文科相、佐渡金山の果報待ちたい ユネスコの評価、近く判明
    2024-06-03

    映画「ゴジラ‐1.0」の震電は「コックピットだけ復元」のはずだった…山崎貴監督がエピソード披露
    2024-06-04

    千年後の未来へ 太宰府天満宮のふすま絵完成 日本画家神戸智行さん移住し10年かけ完成
    2024-06-04

    福島県沖地震で解体 老舗文具店の新ビルが開店 イベントスペースも
    2024-06-04

    太宰府天満宮で「Fukuoka Art Book Fair」が開催へ
    2024-06-04

    大学入学共通テスト、追試は本試験1週間後 コロナ禍前に戻す 月経痛の配慮明記も
    2024-06-05

    古今東西 かしゆか商店【つづら】
    2024-06-05

    書評:「日本美術史」を書き換える100年単位の挑戦。『この国(近代日本)の芸術──〈日本美術史〉を脱帝国主義化する』
    2024-06-05

    美しくて“かわいい”結びの技  1400年の歴史を誇る「水引」の可能性を探って
    2024-06-06

    宗教2世のドラマが受賞 第50回放送文化基金賞
    2024-06-06

    向田邦子の名言「…これが私の料理のお稽古なのです。」【本と名言365】
    2024-06-07

    ©  Dopu Box
    💛