図書館の本の選定、どうしてる?年間1万6000冊を決める裏側を取材【大分発】
この巨大な知の空間に収蔵される本は、どのように選ばれているのだろうか?普段なかなか見ることができない裏側に、特別にTOSのカメラが入らせてもらった。
この日、図書館で始まったのは「本の選定会議」。
本は1週間には400冊入ってくるが、16人の司書が手分けをして、これを購入するかどうかを決める。この会議では、1人で決められなかった「迷った」本を購入するか、返品するかが協議されていた。
県立図書館・主幹司書 阿部詠子さん:
県立図書館では年間に約1万6000冊の本を購入してるが、その購入する本をこの会議の中で司書が選定している
司書(本の選定会議):
「貧困理論入門」。私の気持ち的には買ってもいいかなと傾いています。出版社が堀之内出版、46冊ぐらいの小さな出版社。貧困そのものの状況を書いている本は多いが、貧困そのものとは何か?という形の定義に迫る本は少ないかな。
小さな出版社の本ではありますが、いいものは拾っていけたらと思いますので、よろしいでしょうか?
内容の正しさはもちろんだが、その内容がピンポイントすぎていないか、など、本が主張する全てを理解して判断する。幅広い知識とバランス感覚が司書には求められるのだ。
県立図書館・司書 段上朋華さん:
自分の専門ではない、自分がよく知らない分野についても、読んで、見て、選んでいかないといけない。自分の知識が足りないなってなると、選ぶのが格段に難しくなってしまう。私にとっては、週の中で一番大事な場だと思っています
次にカメラが潜入したのは、「閉架書庫」。一般利用者は入れないエリアだ。
県立図書館・主幹司書 阿部詠子さん:
主に20年以上経過した古い本だとか古い雑誌、そういったものを保管してます。郷土の雑誌などですと永年保存ということで、基本的には捨てないで保管しています
大分県の出版物は貴重な地域資料。これを残していくことは県立図書館の大切な役割なのだ。
例えば「豊州雑筆」という雑誌は…
県立図書館・主幹司書 阿部詠子さん:
昭和30年代に発行の雑誌ですね。大分県の地方出版のもの。政治家の方だとか文化人、経済界の方とかが色々と原稿を寄せられているようですね
一般の利用者はここに入ることはできないが、職員に依頼すると持ってきてくれ、閲覧することができる。
普段はなかなか見ることができない図書館の裏側。県立図書館に限らず近くの図書館を利用して、素敵なブックライフを送ってみては。
(テレビ大分)